歯の内部が臭うサイン:虫歯が口臭を起こすメカニズム
親子三代で安心して通える歯医者、鎌ヶ谷市のあおぞら歯科クリニック鎌ヶ谷院です。皆さん、虫歯そのものが強いにおいを発生させていることをご存じでしょうか?
歯みがきを丁寧にしているのに、ふとした瞬間に自分の息がにおう。デンタルフロスを通した部分だけ、独特のにおいが残る。そんな経験に心当たりのある方は少なくありません。実は口臭の原因が、舌や胃ではなく、歯の内部で静かに進行している虫歯にあることがあります。ここでは、そのしくみと見分け方をわかりやすくお伝えします。
虫歯が口臭を起こすメカニズム
においの正体は「揮発性硫黄化合物」
口臭の主な原因は、揮発性硫黄化合物(きはつせいいおうかごうぶつ)と呼ばれるガスです。これはお口の中の細菌が、食べかすや古くなった細胞に含まれるタンパク質を分解するときに発生します。代表的なものは次の3種類です。
- 硫化水素…卵が腐ったようなにおい
- メチルメルカプタン…玉ねぎが腐ったようなにおい
- ジメチルサルファイド…生ごみのようなにおい
このうちメチルメルカプタンは、ごく少量でも人が強い不快感を覚えるにおいとして知られています。
虫歯の穴の中で起きていること
虫歯は、歯の表面をおおうエナメル質に穴が開くところから始まります。その内側にある象牙質(ぞうげしつ)まで進むと、事情が大きく変わります。象牙質には、タンパク質であるコラーゲンが約2割含まれているためです。
細菌がこのコラーゲンを分解すると、先ほどのにおいのガスが発生します。さらに虫歯の穴は、幅1ミリにも満たない入り口の奥が大きく広がった形になりやすく、歯ブラシの毛先が届きません。入り込んだ食べかすが数日単位でとどまり、細菌の温床になります。ふたを閉めたままの生ごみの容器を想像していただくと近いかもしれません。
神経まで進むと、においは一段と強くなります
虫歯が歯の中心にある歯髄(しずい)、いわゆる神経にまで達すると、においはさらに強まります。歯髄は血管と神経が集まった組織で、タンパク質が豊富です。細菌に侵されて壊死(えし)すると、歯の内部で腐敗が進んでいきます。
やがて根の先に膿(うみ)の袋ができることもあります。膿には壊れた細胞や細菌が大量に含まれ、においのガスを出し続けます。「痛みが引いたから治った」と考える方がいらっしゃいますが、神経が死んで痛みを感じなくなっただけで、においだけが残っている状態です。
歯の内部が臭っているときに現れるサイン
見逃されやすい5つのサイン
次のような状態に思い当たる場合、歯の内部が原因である可能性があります。
- デンタルフロスや歯間ブラシを、特定の1か所に通したときだけ強くにおう
- 歯みがき直後や食事の直後でも、においが消えない
- 鏡で見ると、歯と歯の間や詰め物のふちが黒っぽく見える
- 冷たいものがしみていたのに、いつの間にかしみなくなった
- 歯ぐきに白いできものができ、押すと液が出る
特に1つ目は分かりやすいサインです。舌や胃が原因の口臭であれば、においは口全体からほぼ均一に出ます。一部分だけが強くにおう場合は、その場所そのものに原因があると考えられます。
詰め物の下で進む「二次う蝕」にご注意ください
治療済みの歯だから安心、とは限りません。詰め物や被せ物と歯の境目にわずかなすき間ができ、その内部で虫歯が再発することがあります。これを二次う蝕(にじうしょく)と呼びます。
成人が受ける歯科治療の多くは、初めての虫歯ではなく再治療だといわれています。二次う蝕は外から見えにくいうえ、痛みも出にくいため、においが唯一の手がかりになる場合があります。
虫歯以外の原因との見分け方
口臭の原因は虫歯だけではありません。日本人の口臭では、歯周病が原因として最も多いといわれています。次のように整理すると分かりやすくなります。
- 歯周病…歯ぐきから出血し、口全体がにおう
- 舌苔(ぜったい)…舌の表面が白くなり、朝起きたときに強い
- 虫歯…特定の1か所が強くにおい、黒い穴や欠けを伴う
- 副鼻腔炎や胃腸の不調…鼻づまりや胃の症状を伴う
これらが複数重なっている方も多くいらっしゃいます。原因を1つに決めつけず、順に確かめていくことが解決への近道です。
口臭の原因となる虫歯への対処と予防
当院で行っている診療
においの原因を特定するには、目で見るだけでは足りません。当院ではレントゲン撮影で歯の内部や根の先の状態を確かめ、必要に応じて視野を拡大する器具を用いた精密な治療を行っています。
患者様の中には、口臭のご相談を切り出しづらいと感じる方もいらっしゃいます。ご来院の際は「においが気になる」と一言お伝えいただくだけで構いません。原因が虫歯か、歯周病か、それ以外かを切り分けるところから始めます。
ご自宅でできること
- 歯ブラシに加え、デンタルフロスか歯間ブラシを1日1回使う
- フッ素入りの歯みがき剤を使い、すすぎは少量の水で1回にとどめる
- 食事の間隔をあけ、だらだら食べを避ける
- 1日1.5リットルを目安に水分をとり、唾液の量を保つ
唾液には、においのガスを洗い流す働きがあります。口が乾いている時間が長いほど、においは強まります。
3ヶ月ごとの定期受診を
自分では見えない場所の再発を早く見つけるには、定期的な受診が確実です。3ヶ月に一度を目安にしていただくと、小さな虫歯のうちに対応できます。鎌ヶ谷院は商業施設の1階にあり、200台分の駐車場をご利用いただけます。土曜・日曜・祝日も診療しておりますので、平日はお時間の取りにくい方もお立ち寄りいただけます。
まとめ
歯の内部の虫歯は、細菌がタンパク質を分解して発生するガスにより、強いにおいの原因となります。治療済みの歯でも、詰め物の下で再発することがあります。特定の場所だけがにおう、しみなくなった、といった変化は見逃さないでください。あおぞら歯科クリニック鎌ヶ谷院では、においについてのご相談も承っております。気になる方は、お気軽にご来院ください。
この記事の監修者

あおぞら歯科クリニック鎌ヶ谷院 院長 副島 將路/歯科医師
徳島大学歯学部卒業後、千葉県内の病院にて勤務。
平成23年に医療法人社団爽晴会あおぞら歯科クリニックに入社。
平成26年3月よりあおぞら歯科クリニック鎌ヶ谷院 院長に就任。
現在は院長として、安心・丁寧な歯科診療の提供に努めている。
本記事は、医療情報の正確性・分かりやすさに配慮し、歯科医師監修のもと作成しております。




