歯の詰め物が取れた!放置するとどうなる?対処法と注意点
親子三代で通える歯医者、鎌ヶ谷市のあおぞら歯科クリニックです。
「詰め物が外れたけど痛くないから様子見でいい?」そんなご相談をよくいただきます。
結論から言うと、放置はおすすめできません。外れた直後は痛みがなくても、虫歯の再発や歯の割れ、神経への炎症へと進行し、治療が大がかりになることがあります。本記事では、詰め物が取れたときの正しい対処、放置した場合に起こりうるリスク、受診までの注意点、そして診療の流れをわかりやすく解説します。
こんなお悩みはありませんか?
✅キャラメルやガムで詰め物が取れてしまった
✅冷たいものがしみるが我慢できる程度
✅外れた部分に食べ物がよく挟まる
✅外見は問題ないので先延ばしにしている
✅何度も同じ場所の詰め物が外れる
放置するとどうなる?まず知ってほしい4つのリスク
◎虫歯の再発と進行
詰め物が外れた歯は、削った象牙質が露出し、冷水や甘味、酸にとても敏感です。露出面は柔らかく、細菌や食べかすが付着しやすい状態のため、短期間で虫歯が広がります。外れた断面に段差や隙間が残っていると、そこが菌の温床になり、気づかないうちに神経近くまで到達することがあります。
◎歯の破折・ひび割れ
詰め物が支えていた部分に噛む力が集中し、歯に微細なひびが入りやすくなります。とくに奥歯は咬む力が強く、硬いものを噛んだ拍子に大きく欠けたり、縦に割れて保存不可能になるリスクも。割れ方によっては抜歯が避けられない場合があります。
◎歯ぐきの炎症・口臭の悪化
外れた穴に食べかすが蓄積すると、歯ぐきが腫れたり出血したりします。清掃性が低下するため口臭の原因にも。炎症が長引くと、歯周病の進行を早めることがあります。
◎噛み合わせの乱れ・歯の移動
穴を避けて片噛みが続くと、顎や筋肉に負担がかかります。外れた歯は噛まれにくくなるため、対向する歯が伸び出す「挺出」が起こり、治療が複雑化することもあります。
外れた直後の正しい対処法
⭐外れた詰め物は保管する
取れた詰め物は清潔な袋や容器に入れて保管を。形状や適合が良ければ再装着できることがあります。無理に押し込むのは厳禁です。
⭐外れた側で強く噛まない
欠けた縁は脆く、さらなる破折の原因になります。硬いナッツや粘着性の高いお菓子は避け、反対側でやさしく噛みましょう。
⭐清掃はやさしく丁寧に
柔らかめの歯ブラシで穴の周囲を清掃し、食べかすを残さないように。フロスは引っかけて縁を壊さないよう、上下ではなく横へ抜くと安全です。
⭐自分で接着しない
市販の接着剤や瞬間接着剤で詰め物を戻さないでください。歯や歯ぐきを傷めたり、誤飲の恐れがあり、治療も難しくなります。外れた詰め物は清潔な袋や容器に保管し、できるだけ早く受診しましょう。
⭐できるだけ早く予約を
痛みがなくても、数日のうちに受診を。外れた原因を特定し、再装着や再治療の可否を早めに判断することが大切です。
なぜ外れる?原因を知れば再発予防につながる
原因1:詰め物の縁から2次虫歯になる
詰め物と歯の境目は最も虫歯が再発しやすい部位です。見た目が変わらなくても内部で徐々に広がり、接着が弱くなると外れやすくなります。
原因2:接着材の経年劣化・摩耗
詰め物を支えるセメントや接着層は、年数とともに劣化します。酸の多い飲食や強いブラッシング、歯ぎしりは劣化を早めます。
原因3:噛み合わせ・歯ぎしり
合わない噛み合わせや就寝中の食いしばりは、詰め物に過大な力をかけ、浮きや外れの原因に。とくに奥歯の小さな詰め物は負荷に弱いことがあります。
原因4:材質と歯質のミスマッチ
レジン、金属、セラミックにはそれぞれ特性があります。歯の欠損量に対して詰め物が小さすぎる、あるいは大きすぎると外れやすくなったり、歯が割れたり欠けたり、ヒビがはいりやすくなります。
治療の流れ
- 診査・診断
口腔内診察とレントゲン撮影で、虫歯の有無や歯の割れ、適合状態を評価します。冷温への反応など神経の状態も確認し、痛みの原因を切り分けます。 - 再装着が可能なケース
詰め物に変形や破損がなく、歯側に段差や汚染が少ない場合は、清掃・消毒の上で再装着を検討します。接着面を整え、再脱離を防ぐ処置を行います。 - 再修復:ダイレクトボンディング
虫歯の再発が小範囲なら、樹脂を直接盛り足す方法で修復します。色調を合わせながらその日のうちに仕上げることができるケースもあります。 - 詰め物の作り直し:インレー・アンレー
虫歯の範囲が広い、ひびがある、形態が複雑などの場合は、型取りをして新しい詰め物を作製します。材質はレジン系、金属、セラミックから選択。噛み合わせも含めて総合的に設計します。 - 被せ物:クラウン
歯質の残りが少ない、ひびが深い、再発リスクが高い場合は被せ物で全体を守ります。根管治療が必要になるケースもあります。 - 外科的処置が必要な場合
歯の割れが歯ぐきの下まで及ぶ、歯が大きく欠けて土台が確保できない、といったケースでは、歯ぐきの外科処置や抜歯を検討します。鎌ヶ谷院では外科的処置にも対応し、インプラントやブリッジなどの後継治療も含めてご相談いただけます。
再発を防ぐために、今日からできる5つの習慣
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定期検診とクリーニング
境目の清掃性を保つことが最大の予防です。3〜6か月ごとの検診で二次う蝕を早期に発見し、詰め物の適合や噛み合わせも同時にチェックしましょう。
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ブラッシングとフロスの徹底
詰め物の縁は汚れが残りやすい場所。毛先が届く角度で小刻みに磨き、フロスは歯面に沿わせてゆっくり動かします。縁を引っ掛けないよう、抜く方向にも注意を。
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食習慣の見直し
砂糖や酸の摂取回数を減らし、間食は時間を決めて行いましょう。粘着性の高いお菓子は詰め物を引っ張りやすいため控えめにすると良いです。
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就寝時の歯ぎしり対策
噛みしめ癖が強い方は、ナイトガードの使用で歯と修復物を守ります。日中は「歯を離す」を合言葉に、噛み締めに注意して力を抜く時間を意識しましょう。
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無理をしない咀嚼と選食
治療直後や外れた側では硬いものを避け、歯に優しい食感の食事を選びます。違和感やしみが続くときは早めに受診をしてください。
まとめ
詰め物が取れた直後は「痛くないから大丈夫!」と思いがちですが、実は虫歯の再発や破折、噛み合わせの乱れなど、放置によるリスクが多く潜んでいます。正しい応急対応と早めの受診が、歯を守り、治療をシンプルにする最短ルートです。鎌ヶ谷院では、診査・診断から再装着、再修復、被せ物、外科的対応まで幅広くご相談いただけます。気になる症状があれば、まずはお気軽にお問い合わせください。
本記事はあおぞら歯科クリニック鎌ヶ谷医院、副島將路院長監修のもと作成しています。